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世界が堕ちるその前に 1

世界が堕ちるその前に 第一話 です
序章は前振りです



長陽城
三大都市の中でもっとも栄える町
人、物、情報が行き交う町


高い外壁に囲まれた城は少年の前に立ちはだかり、その大きさに彼は目を丸くした。
「こんな大きな建物なんてあるんだね…。」
「ん〜、これは外壁だし〜…。」
「外壁でも大きいよ…これが長陽城かぁ。」
少年は目の前にそびえたつ壁を見つめ、その大きさに感動していた。
空まで届くのではないかと思われるほど高い外壁。
その壁は妖魔たちを寄せ付けず、城の人々を守る。
「…中に入らないの〜?」
「は、入るよ!…でもさ、こんなに大きいと、ちょっと…。」
「僕は先に入るからね〜。」
「え、ちょ、待ってよアール!」
主人をおいて城の門をくぐろうとするアールを少年はあわてて追いかけた。

***

城に足を踏み入れた少年は思わず息を呑んだ。
さまざまな外見をした、格好をした人、人、人。
ある人はわずかに宙に浮き、またある人は猫のような耳に狐のような尾。
おかしなくらいに小さな子どももそこかしこにいる。
大通りぞいには様々な店が立ち並ぶ。
食品店、雑貨屋、家具屋、その他もろもろ。
しばし立ち尽くしていた少年は小型の猪――アールにつつかれ目的を思い出す。
「そうだったね、アール。」
とりあえず、行こう。といって少年は大通りを歩き始める。
あまりの人の多さに、小さなアールは人に蹴られそうになり、潰されそうになり、踏まれそうになりながらも必死に主人についていく。
しかし、主人のほうはアールのことなど全く意に介さず、キョロキョロとあたりを興味深そうに見回しながらどんどん進んでいく。
雑貨屋の前で立ち止まり、奇妙な形の行灯をながめ、食品店の前でみかんの試食をして、花屋の前で酷い匂いの花に顔をしかめながら、彼は楽しそうに大通りを北へと進んでいく。
「ま、まって〜…お〜い〜…。」
妙にガタイのいい男がアールをギロッと見る。
その視線にビクッと身をすくませ、即座に視線をそらして少年の向かった方向へ走り出す。
と、目の前から歩いてきた小さな子どもにぶつかりそうになる。
「わぁ、ちいさなぶたさんだぁー。」
ぶたじゃない、いのししだ!と叫びそうになるが、話すいのししなんていったら面倒なことになるなぁ〜と子どもを無視して主人を追う。

「…ここだ。」
しばらく歩いたところで、少年は右手に目的地なる店をみつけ立ち止まる。
「ふぅ、ふぅ…ふはぁ…。」
若干汚れてしまったアールが、息も絶え絶えになりながら少年の隣に来る。
ちらっと少年の顔を見上げ――一瞬さっきのガタイのいい男の眼光を思い出し身震いするが――少年の視線の先を見た。
開かれた両開きの扉の中。
「ここ、が、そうなの?」
「うん、ここがそうだ。」
二人は、開け放たれたその店に足を踏み入れた。

その店の名は―――情報屋

| 小説 | 20:08 | comments(0) | trackbacks(0) |

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